2005年4月18日
魔法瓶浴槽
TOTOが開発した魔法瓶浴槽が売れている。冷めにくい浴槽というのは、長年チャレンジされつつも商品化されない代物だった。保温性が良くて硬くて安い素材が見つからない。しかし、TOTOの社員が子供のラジコン飛行機が落ちても傷つかないのを見て、それと同じ素材を使おうと思いつき、商品化できたということだ。
松下のノンフロン冷蔵庫は、断熱材の開発にもの凄い努力をした。しかし、魔法瓶浴槽は素材を新開発したわけではなく、既存の素材を使っただけである。浴槽業界の人は、素材に疎いらしいことが読み取れる出来事だ。
それでもTOTOはウォシュレットやカラリ床などで、水周り業界をリードしている。素材の開発もしているようで、光触媒だとか撥水とか親水とかでカー用品にも進出している。新しいことにチャレンジしているようだが、簡単な断熱素材に気付くのが遅れたそのギャップがなんとも大企業らしい雰囲気。
蓄熱保温技術は地味だが、省エネ・エコ・CO2削減のキーテクノロジーである。完全断熱ができれば、理論上は人の体温だけで適温を保つことが可能だ。断熱できない分だけ、熱エネルギーが必要になる。
TOTOじゃないけど、タイガーの電気まほうびん「とく子さん」が出たときも衝撃的だった。いままで断熱に気を使っていなかったのかと。意外と断熱に気を使ってないデバイスは他にも多くあるかもしれない。
個人的に興味があるのはクルマの暖機である。夕方帰ってきたときの熱を蓄熱し、朝エンジンを書けたときに水温警告灯が点灯しないような仕組みが実現できないだろうか。まあ基本的にエンジンは「冷やす仕組み」がメインなので、冷却水やエンジンオイルを、ラジエーターやオイルクーラーから隔離する必要がある。それは車体重量に効いて来て通常の燃費が悪くなる。それと、暖機運転の燃費はカタログ値に反映されない。あたらしい燃費測定基準を作らないと、メーカーは努力しないだろう。
と、クルマネタに振って、クルマカテゴリ。
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