2005年3月 7日

ソニーはどこへ行くのか

 ソニーの会長と社長が退任した。

 薄型表示装置の出遅れとか、圧縮音楽再生装置での圧縮方式の選択に誤りとか、読書可能不揮発記録半導体の形状が独自とか、最近の低迷の原因はいくつかある。そしてその原因の認識も彼等は持っている。今後どのような戦略をとっていくのだろうか。

 ソニーの戦略の基本は囲い込みである。元社長の大賀典雄氏が日経の連載「私の履歴書」で書いたところによると、「自分の土俵を作って、その土俵で戦う」のが基本である。誰が勝とうが、そこで戦っているだけで土俵の持ち主が儲かるしくみ。もちろん、土俵上で自分が勝てば大儲けである。最大の成功はCDだろう。他社のプレイヤーが売れても、どこのアーティストのCD(メディア)が売れても、ソニーに金が入るのである。もちろん、自社のプレイヤー、自社の歌手が売れればもっと儲かる。自社の歌手は固定客がつけば歌手自身に作詞作曲までやらせて、変な曲でも思い入れだけで買わせてしまうという戦略もあった。ちょっと話がそれたが。

 VHS対ベータは、VHSが買ったが、ソニーはビデオレコーダー系の特許を持っていたので、どっちに転んでも損はしない構造だったそうな。

 そんなこんなで、土俵を作るのが彼等のお仕事である。単品で成功しても、トップは褒めてくれないのだろう。かっちょイイMP3プレイヤーを出せば確実に売れるのは内部の誰もが思っていたのではないだろうか。しかし、ATRACの呪縛があるので誰も動けない。VAIOと繋がってATRACで圧縮してメモリスティックに保存しなければ、「ソニー製品」の意味が無いのである。

 しかし、ユーザーはフツーのPCと繋がってMP3で圧縮してSDメモリカード他に保存することを望んでいる。ソニーが用意した土俵で戦う企業は皆無で、土俵の維持費の出費だけが嵩んでいく状況である。自治体が豪華なスタジアムを作ったものの、集客のある大会を誘致できずに苦しんでいる構図に似ていると思うのはボクだけだろうか。

 土俵を作りたいというキモチは分からなくは無い。最近ではフェリカで成功している。だが、失敗した分野、どう考えても逆転不可能な分野は、さっさとあきらめて長いものに巻かれていたほうがいいんじゃないかと思う。その判断の速さが、今後のソニーの行方を決定づけると思う。

 最初、カタカナを排して書いてみようと思ったが、速攻で挫折した。失敗はすぐ認めたほうが良い。

Posted by rukihena at 17:03:22
トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://weblog.rukihena.com/mt/mt-tb.cgi/5

コメント