2006年8月14日

大規模停電

 クレーン船が送電線に接触、損傷させたため、東京などで大規模停電が発生した。個人的には全く影響が無かったのが不幸中の幸いというか、残念というか。

 停電というと、1999年に発生した、自衛隊機墜落による送電線切断が思い出される。カイシャでパソコンでモリモリ仕事をしているときに停電。仕事にならなかった。(デスクトップPC(性能重視)を愛用している開発は仕事にならなかったが、ノートPC(可搬性重視)を愛用している営業は仕事を継続できていたのが印象的だった。)

 その停電の時も、原因として鉄塔の左右にある2系統が両方とも切断されたためとされていた。今回も2系統とも切れた。鉄塔の左右程度の距離では物理的損傷に対する多重化の意味がない。7年経っても多重化具合は変わっていないということだ。

 冗長構成の意味無いじゃん、と思う。

 ただ、停電に至ったからこそ送電線トラブルについて報道がなされるわけで、冗長構成が功を奏して停電に至らず報道されないトラブルも発生している筈だ。特に落雷などは日常茶飯事だろう。多分。


 大規模停電が起こると、復旧が難しいらしい。発電量と消費量が一致していないと保護回路が働いてしまうので、発電量アップと通電を同時に行わなければならない。下手をすると停電地域が広がってしまう場合もある。

 東電は99年の停電を受けて、復旧シミュレーションを重ねていたそうだ。その結果、これだけの大規模停電にもかかわらず、3時間足らずで復旧できたとしている。

 復旧シミュレーションをしていたということは、想定内の出来事ということか。マスコミは想定外とか言っているが、電力供給者が想定内と言ってるんですよ! (正確には、クレーン船が切ることは想定外、どっかが何かの拍子に切れるのは想定しておく、といった感じ?)


 ということで、停電を想定して、末端で出来る対策について考えてみる。

 エレベーターは、新型だと停電時に最寄の階に自動停止してドアが開く機能があるらしい。建築基準法で定められているわけではないというところに感動した。やるじゃん>エレベーターメーカー

 信号機は自家発電装置付きのもあるが、95年からは予算の都合で普及してないらしい。ケチるところを間違えてますよ。

 ビルの給水設備によっては停電時に水が使えない場合がある。99年にいたカイシャのビルもそうだった。高層階へのポンプを動かし続けろとはいわないが、1階のトイレだけでも使えるようにしてクレ。(10階以上だと人の移動がタイヘンそうな気もするが)

 電車はしょうがないかな。ブレーキさえ効けば合格か。電気がなくても動いたら、それはもう「電」車じゃなくなる。

 それと、結構クリティカルな障害でも、3時間で復旧できることが今回実証された。UPSの容量は3時間もあれば十分だと考えることも出来る。


 さて、末端の停電対策も重要だが、上流の停電しない対策も必要だと思う。飛行機が落ちてきて送電線を切るというのはかなりレアケースだとおもうが、送電線の下を走る乗り物が切るのは想定しておいたほうが良いのではないかと思う。川の上だけ2系統を離して設置するとかしたほうが良いかも。

Posted by rukihena at 23:08:16
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