2006年2月10日
メールに添付してみたらサイズ制限で送れないんですよねぇ
「このファイルを今すぐ客に送りたいんだけど、どうしたらいい?」と質問するヤツにどう応えるか。片手間管理者の永遠のテーマである。
今日は、NASにWebDAVを実装して、インターネットの外側ともファイル共有をするというアプライアンスの話を聞いてきた。
基本的にNASなので、ユーザーを作って、そのユーザー権限でアクセスすることになる。しかし、同行した営業が言うにはユーザーを作る管理画面をもっとカンタンにして欲しいらしい。あれ以上どうカンタンにしろというのか? 理解できない。理解できない顔をしていると、「宅ふぁいる便みたいにカンタンに」を連発している。
「宅ふぁいる便」の場合、受信側はユーザー登録の必要が無い。メールに書かれたURLにアクセスすればダウンロードできる。一方、送信者側は登録が必要であるが、管理者にお願いするわけではなく、Web経由で自分で登録できる。
NASの場合、ユーザー登録は必須と思われる。ゲストアクセス可能なら不要だが、そんなファイルはWebで公開すればよい話で、NASで共有する意味が無い。また、NASに置いたファイルは消さない限りそこにあるわけだが、宅ファイル便の場合はメールの添付ファイルのように、送受信の用が済んだらファイルはサーバから消える。その点が決定的に違う。
ではなぜ、このアプライアンスに営業が興味を持ったかというと、「ドラッグアンドドロップでファイルのやり取りが出来る」という点らしい。また、宅ふぁいる便は第三者のサーバにいったんファイルを預けるわけで、その点がマイナスらしい。
営業の要望は多分こうゆうことだろう。
1・サーバは送信者か受信者か、もしくは自分(営業)の管理下に置く。
2・送信時にドラッグアンドドロップで送信できる。
3・送信中のプログレスバーを正しく表示する。
4・NAS的な、ファイルを置きっぱなしにする使い方はしない。
5・要は宅ふぁいる便でドラッグアンドドロップ
4 はヘタすると「そんなことは無い」と反論されるだろう。それでも絶対に多分きっと必要ない。っていうか必要という人に限ってログインの手間が嫌いで使わなかったりする。
「ドラッグアンドドロップで送信」は、多くの営業がキボンヌしている機能だと思われる。しかし、これをいわゆる「Webで対応」させるのがいかにタイヘンか、多くの営業は理解できない。
IE は、WebDAV とか FTP のクライアントにもなるので、IEにドラッグアンドドロップすることでサーバに送信することは出来る。しかし、そのドラッグアンドドロップできる状態に持っていくためには、サーバ側にユーザー登録が必要で、さらにそのユーザー情報を送信者に伝える必要がある。
それと、ドラッグアンドドロップできる状態のウィンドウは、それ専用のウィンドウである。って何が言いたいかというと、Webページの中の一部の領域に「↑↑↑ココにドラッグアンドドロップ!」みたいにデザインできないということである。
「↑↑↑ココにドラッグアンドドロップ!」をやるには、ActiveXコントロールを作る必要がある。作ったら作ったでインストールの必要があり、署名のためにベリサインにお布施とか、ワケ分からない話に発展していく。開発者としても「ActiveXコントロールはなんかイヤ」みたいなトコロがあって、話が進まなくなる。
ActiveXコントロールを作ってインストールさせるなら、フツーのローカルアプリを作ってインストールさせる方が実はカンタンだと思う。
ActiveXコントロールの警告ダイアログで「はいはい」させるドキュメントを書くのも、ローカルアプリのインストーラーで「はいはい」させるドキュメントを書くのも大して差はないし、ActiveXコントロールだと警戒されるが、ローカルアプリはそれほど警戒されない。
ということで送信者はローカルアプリが必要ということにしよう。いや、HTMLの「参照」ってやつからPOSTする入口も用意してやってもいいかな? 大容量を送信したいとか、ドラッグアンドドロップしたい人だけインストールさせることにしよう。
受信が「右クリック・対象をファイルに保存」なのは、「別にいいだろそれで」と思う。別の仕組みにすると、その別の仕組みのインストールの手間=営業さんの手間的にタイヘンですよ。
ということで、ボクの中では、最初のアプライアンスとは全然違う話になった。
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