2005年11月28日
構造計算書偽造問題の根っこの部分
ヒューザーが態度を一転、買取に応じるとした。しかし条件を良く見ると、ローンの肩代わり。ヒューザーが倒産するとローンの支払い義務は住民に回ってくる。悪徳企業はどこまで言っても腹黒い。
日本の住宅ローンは特殊である。
日本以外の普通の国での住宅ローンというものは、万が一の場合に家を銀行に渡したらチャラになるのが普通だ。資産価値がいくら下がろうが、銀行には貸した責任がある。
そのため、借りた瞬間からそうなってもいいように頭金が必要である。また、家の資産価値がなくなるほどの長期のローンは不可能だ。そもそも、担保の家に資産価値があるかどうかの審査が必要になる。銀行にとっての「証券」が「家」に化けてしまった場合に、損をしないようにしなければならない。
しかし日本では、担保の家を手放しても足りない分は住民が支払うことになっている。
多分、銀行のせいというよりは、日本の戦後の住宅供給政策によるものだと思うというかボクが読んだ本ではそーゆー主張だった。
高度成長期はうまくいったんでしょうが、いまはもうダメな制度ですな。
日本以外の普通の国での住宅ローンだったら、ヒューザー問題はどうなっただろうか。
住民が銀行に、「すまん、ローン払えないんで家あげるから、今後のローン支払いは無しね。」で、終わる。もちろん引越し費用とか払っちゃった頭金とかは無駄になるが、人生やり直しができる程度の余力できると思う。
そもそも、銀行がローン審査の際に、建物の調査をした結果、貸さない、ということも考えられる。本来、銀行の仕事とはそうゆうものだ。
住宅金融政策の失敗が、構造計算書偽造問題の根っこの部分にあると思う。
今までの「失われた10年」の間に、ここに手を付けるのはムリだったかもしれない。しかし、銀行ビッグバンが終わり、メガバンクの収益が改善している今、住宅ローン制度の見直しを進めてもよいのではないだろうか。
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